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DMシミュレーション:想定シナリオで予習する

以下は、「黒の書」で紹介した流れ(ファーストDM → 共感ラリー → オフライン誘導)を疑似体験してもらうための、架空の会話例です。登場人物や設定はあくまでフィクションですが、実際にありがちなやり取りを忠実にシミュレーションしています。

登場人物設定

  • 弘志(45歳・男性)
    • 70年代レコード愛好家。SNSでは「昭和レコード巡り」をテーマに発信している
    • 見た目に自信はあまりないが、レコードへの愛は人一倍強い
  • 香奈(25歳・女性)
    • レトロな音楽が好き。最近70年代ロックバンドにハマり始め、SNSで情報収集中
    • 見た目で判断されるのが嫌で、マッチングアプリは苦手

1. ファーストDM :「コメント欄では書ききれないんです…」

弘志(DM)

「DMで失礼します。香奈さんの投稿を見て、思わずご連絡しちゃいました。

コメント欄だと少しマニアックかなと思いまして…。

実は僕、70年代のレコードが好きすぎて、毎週末に“名盤”探しの旅をしてるんです。

香奈さんが挙げていたバンド〈ザ・フォーカス〉の1stアルバムについて、

ちょっとお聞きしたいことがあって…もし時間あるときに教えていただけると嬉しいです!」

香奈(DM)

「わざわざDMありがとうございます! コメント嬉しかったです。

私もフォーカスの1stアルバム、つい最近知ったばかりで…

まだ詳しく調べ切れてないんですよね。どういったこと気になりますか?」

ポイント解説

  • 弘志はファーストDMで「コメント欄には書ききれない/マニアック」というDMならではの必然性を示した
  • さらに「70年代レコードが好きすぎて…」という一言で、自分の趣味と熱量を簡潔に伝え、相手の興味を引いている
  • 香奈も同じテーマに関心があるため、自然に「なになに?」「どういう話?」と続きを聞きたくなる

2. 共感ラリー:相手が話しやすい話題を掘り下げつつ、自分を少し見せる

弘志(DM)

「ありがとうございます! 香奈さんも最近フォーカスにハマり始めたんですね。

僕は高校生の頃、ラジオで『Horizon』って曲を偶然聴いてからドハマりしまして…。

その1stアルバムに、もしかして未収録のレアトラックがあるって噂を聞いたんですが、

どうにも見つからなくて…。

香奈さんは、あのアルバムで特に好きな曲とかあります?

もし『ここがツボ!』みたいなのがあったら、ぜひ教えてほしいです!」

香奈(DM)

「へぇ、そんなレアトラックがあるんですか? 初耳です…!

私は『Morning Dew』って曲がすごく好きです。

当時のロックって演奏が荒いのに妙な魅力がありますよね(笑)

弘志さんは、やっぱり歌詞とかもしっかり聴いてる感じですか?」

弘志(DM)

「わかります! あの荒削りな感じがたまらないですよね。

歌詞も好きなんですが、どちらかというとジャケットデザインの雰囲気に惹かれてるかも…。

実は実物のレコードジャケットをコレクションしていて、

部屋の壁に飾ってるんですよ。

もし香奈さんが好きなレコードジャケットとかあれば、

一度見てみたいです。もちろん無理にとは言いませんが、

もしおすすめがあったらぜひ教えてください!」

ポイント解説

  • 香奈が「話せる」ようなテーマ(レアトラック、好きな曲)を先に振り、相手を主体に進めている
  • 一方で弘志も「実物ジャケットをコレクションしている」という程よい自己開示を入れている
  • 質問(好きなジャケットある?)で相手がまだ語りやすい話を続けられるよう配慮
  • 「無理にとは言いませんが」と相手の負担を考慮する姿勢も“無害化”に繋がる

3. 軽い“仮誘い” :想像させる&ハードルを下げてオフラインへ

香奈(DM)

「レコードジャケットを壁に飾ってるんですか…! なんだかオシャレですね。

昔、友達の家で見たことあるけど、あれって飾ると雰囲気ガラッと変わりますよね。

私もいくつか好きなジャケットあるんですけど、まだ実物を買えてなくて…。

もしおすすめのジャケットがあったらまた教えてください!」

弘志(DM)

「そうなんですよ、インテリア的にもいい感じです(笑)

実は今週末、神保町にある小さなレコードショップを回ろうと思ってて…

そこで70年代ロック専門のジャケットフェアをやってるんですよね。

もし香奈さんもお時間合えば、ちょっと覗いてみませんか?

もちろん無理にとは言いませんので、興味なければスルーで大丈夫です!」

ポイント解説

  • 香奈の反応が良いタイミングで、「実は今週末…」と“仮誘い”を仕掛けている
  • 「もし香奈さんもお時間合えば」「無理強いしません」と、断りやすい余地を与えつつ誘う
  • この段階でイベントの「場所・日時」を軽く提示しているが、強要はしていない

4. 誘いへの返答:具体化してオフラインへ

香奈(DM)

「え、そんなフェアやってるんですね…! 正直ちょっと惹かれます(笑)

実は今週末、土曜なら午後に時間作れそうなんですけど…

どんな感じのイベントなんでしょう?」

弘志(DM)

「お、土曜の午後なら僕も空いてます!

フェア自体は小規模みたいなんですけど、

普段出ないようなレコードジャケットが数十枚並ぶらしくて…。

店長さんと話すと掘り出し物情報が聞けるかもしれません。

もし来られそうなら、13時に神保町の〇〇カフェの前とかどうでしょう?

まずちょっとお茶してから、お店覗きに行く感じで。

全然緊張しないで大丈夫ですよ(笑)僕も人見知り気味なんで。」

香奈(DM)

「13時ですね、了解です! じゃあ〇〇カフェに行きますね。

普段あまりレコード屋って行かないので、ちょっと楽しみです。

当日はよろしくお願いします~!」

ポイント解説

  • 香奈が前向きな反応を示したので、弘志は日時と待ち合わせ場所を具体化し、さらに「お茶→お店」という流れを提案
  • 「全然緊張しないで」というフォローで、相手の不安感をやわらげている
  • 香奈も「13時に行きますね」と明確に了承し、リアルでの対面が確定した

最終的な流れと学び

  1. コメントで軽くコミュニケーション → ファーストDMへ
  2. 共感ラリー:相手の話題を中心に盛り上げつつ、自分の趣味や熱量を少しずつ開示
  3. 仮誘いでハードルを下げ、「断っても大丈夫」な空気づくり
  4. 具体化:相手が乗り気になったら日時・場所を提案 → オフラインで会う約束へ

このやり取りを踏まえた実践ヒント

  1. DMの必然性を示す
    • 「コメント欄じゃ書ききれない」「ちょっとマニアックで…」など、DMをする理由を明確にするだけで相手の警戒心は下がる。
  2. 2~3往復は“相手主体”
    • 自己開示も大切だが、相手の意見や感想を求めることで「もっと話したい」と思わせる。
  3. オフライン誘いは“相手の興味ど真ん中”を突く
    • ただの“お茶”より、「〇〇フェア」「××イベント」で趣味と絡めるほうが、自然に会うメリットを感じてもらえる。
  4. 断りやすい言葉で誘う
    • 「興味なければスルーOK」「土曜が無理なら全然無理しないで!」など、断られてもダメージを与えない配慮が“無害”な印象に直結。

まとめ

このように、実際のDMのやり取りを俯瞰してみると、「コメントでの軽い交流 → DMで深い話題 → 共感ラリー → 軽い誘い → 具体的にオフラインへ」という流れが一連のストーリーとして自然につながっていきます。

  • ファーストDMで「なぜDMで話したいのか」
  • 共感ラリーで相手が話しやすい“趣味”にフォーカス
  • 仮誘い直球誘いへのステップアップ

このシンプルな構造を守るだけで、一気に「実際に会う」というゴールが近づくはず。ぜひあなたも、箱庭の魔法と黒の書のテクニックを使い、こんなやり取りを現実で実践してみてください。